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『ファイナルファンタジーVII リメイク』レビュー。往年の名作の新たなスタート【レビューエクストラ】

Go
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 電撃オンラインのメンバーが、好きでやり込んでいるタイトルについて自由に魅力を語る“レビューエクストラ”。久しぶりの登場となる連載第9回は、昨年4月10日に全世界同時発売され話題となり、2021年3月にはPS Pulsでフリープレイも可能だった『FINAL FANTASY VII REMAKE(ファイナルファンタジーVII リメイク/以下、FF7リメイク)』について語ります。

※本記事には『FF7リメイク』に関するネタバレが含まれます。


FF7リメイク

 2015年の衝撃的な発表から約5年、待ち望んでいたファンの期待ははちきれんばかりに膨らみ、とてつもなくハードルの高まった最中で発売された『FF7リメイク』

 複数作品になる、システムが大きく変化するなど、古くからのファンにとっては不安ともいえる要素を抱えながらも、それらすべてを杞憂に終わらせる壮絶なボリュームとクォリティで、多くのユーザーを満足させてくれました。

 あれから1年。さまざまな新要素を追加したPS5版『FF7リメイク インターグレード』など、関連ソフトが発表となり、今再び、『FF7』が注目を集めています。

 そこで、当時、予想を遥かに上回るクォリティに興奮しつつ、夢中でプレイしていたライターのGoが、寝かせに寝かせた1年越しのレビューをお伝えしていきます。

 さまざまな新作発表で、そろそろ“次の展開”も気になる今日この頃。あえて今、『FF7リメイク』について、その魅力を振り返っていきたいと思います。


新鮮さと懐かしさを同時に味わえる興奮

 発売前は不安も入り混じっていた『ファイナルファンタジーVII リメイク』でしたが、結果だけ先にいうと、完全なる杞憂に終わりました。

 オリジナル版を遊び尽くした自分も、最新作をプレイしているという新鮮さと、当時を思い出しての懐かしさ、その両方を同時に味わえるという、なかなかできない体験を味わうことができました。思い出の作品を、現代のクォリティでもう一度遊べる。それは、本当に幸せな経験だったとつくづく思います。

 最近は、昔のゲームをそのまま遊べる機会も増えています。なんなら2018年に発売された「プレイステーションクラシック」で、当時のままの『ファイナルファンタジーVII』を触ったばかりです。しかし、“懐かしさ”だけでは、そう長く遊び続けることはできません。思い出とは往々にして美化されがちで、実際最近オリジナル版を遊んだときは、「あれ、こんなんだったっけ?」と、美化された思い出と現実とのギャップを感じることも少なくなかったです。

 しかし本作は、2020年に遊ぶに相応しい最適化されたグラフィックとシステム、そして圧倒的ボリュームによる満足感で、20年以上かけて美化され続けた“思い出”を、完全に上書きする、壮絶なパワーを持った作品となっていました。

 それこそ『FF』シリーズ最新作としての役割も完璧に果たしており、今後『ファイナルファンタジーVII』といえば、間違いなくこちらを思いだすことになるでしょう。

  • ▲大幅に変更されながら、マテリアなど、昔のファンにもなじみ深いシステムも魅力です。

 過去の思い出だった作品は、最新の体験となり、そして未来へと続く今後の期待へと変わりました。

 それは、古くからのファンだけでなく、これまで『ファイナルファンタジーVII』を知らなかった世代にも、大きな衝撃を与えたはずです。まさにこの先も続いていく、新時代の名作シリーズの誕生ともいえるのではないでしょうか。


圧倒的情報量の物語に、あらためて興奮!

 システム、バトル、キャラクターなど、本作の魅力は、あげていくとキリがないですし、これまでに多くの人がそれぞれの論点で紹介されてきました。今更それを細かく挙げていく必要はないでしょう。

 しかしそうしたなかで、個人的にあえて1つだけ推したい点が、オリジナル要素が満載され、莫大な情報量となった物語です。

 いうまでもなく、『ファイナルファンタジーVII』は、『ファイナルファンタジー』シリーズの7作目です。そしてその『ファイナルファンタジーVII』もシリーズとして複数の作品が存在しており、これらを総称して、「コンピレーション オブ ファイナルファンタジーVII」と呼びます。

 本作は、その中心的作品である『ファイナルファンタジーVII』の冒頭、ミッドガル脱出までをリメイクした作品となっています。オリジナル版では、頑張れば2時間もかからないストーリーが、総プレイ時間数十時間に及ぶボリュームとなっているのだから驚きです。

 もちろん、ただ引き延ばしたわけではありません。数多くの新要素、オリジナル要素が付け加えられ、キャラクターや世界観がより一層深堀りされているのです。それも無駄な情報は一切なく、リニューアルされた物語と世界観を構成する重要な要素となっているのです。それでいて、オリジナル版での冒頭でほとんど絡まなかったセフィロスの存在を取り入れ、しっかりした“起承転結”がつけられている点も大きかったと思います。

 あれだけオリジナル版をプレイしたのに、こんなにも知らなかったことがあったのかという驚きの連続。それは、常に先を見たいという好奇心となり、ゲームの進行をグイグイと引っ張ってくれました。

  • ▲オリジナル版では通り過ぎただけの列車墓場でのエピソードも充実していました。

 また、もう1つ個人的に興奮したのが、世界観、とくにミッドガルという都市の存在感です。オリジナル版では外を歩き回っている時間の方が圧倒的に長く、最初と最後に訪れる1都市に過ぎなかったミッドガルですが、本作での空気感には文字通り圧倒されました。

 緻密に計算された複雑な構造を自由に動き回り、さまざまな角度から見渡すことのできるこの都市の探索は、想像を遥かに越えるスケール感で、どこまでも続くのではないかという“広さ”と“深み”を感じました。

 とくに、多層構造を活かした“高さ”の表現には、目を見張るものがあります。見上げたり、見下ろしたりすることでその高さを感じられる場面も多く、まるでアトラクションのような興奮を味わうことができました。

 さらに、ミッドガルで暮らす人々の、息遣いすら感じさせる生活感もスゴい! 陳腐な言い回しになりますが、まさに生きた都市で暮らしているかのような、没入感を感じることができました。この外に、まだまだ広大な世界があると考えたら、今後の展開にもワクワクします。

“第1作目”の役割を完璧に果たした作品

 本作を総合的に評価すると、“新しいシリーズの最初の作品としての役割を完璧に果たした作品”であったと思います。そして、このミッドガルという1都市での出来事を1つの作品としてまとめあげたパワーを見て、なんとなくですが今後も見えてきた気がします。

 最初、複数作品と聞いたときは、どこで区切るのか、ワールドマップや飛空艇での移動はどう再現されるのかなどなど、わからないことが多く、不安な点も多かったです。しかし、本作の内容を見て、その不安もすっかり払拭されました。

 ここからはあくまでも個人的な意見ですが、本作を例えるなら、『スターウォーズ』の1作目のようなものだと感じました。『スターウォーズ』は、連続したお話というより、長い長い帝国と共和国との争いの歴史から、要所要所をエピソードとして切り取った形になっています。

 本作も、『コンピレーション オブ ファイナルファンタジーVII』にて展開されてきた長い長い世界の歴史から、“エピソードⅠ”として、ミッドガル動乱を切り取った形になっているのかなと。そうなると、次回作は別にミッドガルを出てカームに向かうところから始める必要はなく、どこか別のエピソードを切り取ればいいわけです。

  • ▲バレットなど、仲間たちのオリジナルエピソードも見たい!。

 このリメイク版がこの先、どのくらい制作されるのかはまだわかりませんが、仮に三部作だとすると、次はやはりニブルヘイム周辺かなと、個人的には思っています。セフィロスを追って旅をして、ニブルヘイムに辿り着いた。そこから始まって、その周辺のストーリーを深堀りしていく形になるのがしっくりきます。そこまでの流れは、それこそ『スターウォーズ』のあの有名なタイトルバックのように、メインテーマにあわせて文字で説明すればいいんですよ。

 そう思った主な理由は、やはり今回のように、いろんなエピソードの深掘りが見たいという欲求が強くなったからです。あのミッドガルのクォリティで、ニブルヘイムのエピソードを体験したいじゃないですか。それどころか、過去に戻ってザックスのエピソードを切り取るのもありだと思います。ゴールドソーサーあたりでミニゲームてんこ盛りなんてのもいいかも! 勝手な妄想に過ぎませんが、あれこれ考えるだけでワクワクします。

  • ▲セフィロスがその後どう絡んでくるのかも期待!

 と、そんな自分ですが、実はまだまだ完璧にはやり込めていません。発売後ハマりまくって一気にクリアしたため、やり残しも多いのです。PS5版の『FF7リメイク インターグレード』が発売されたら、あらためてやり込みプレイに挑んでみたいと思います。せっかくなのでPS5でプレイがしたいですよね。ユフィの新エピソードも気になりますし。しかしその前に、一刻も早くPS5を入手しなくては(まだ持ってない)!


(C) 1997, 2020 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA/ROBERTO FERRARI
LOGO ILLUSTRATION: (C) 1997 YOSHITAKA AMANO
※本作は1997年に発売された『FINAL FANTASY VII』(原作)のリメイク作品です。ミッドガル脱出までの原作を元にオリジナルの要素を加えた作品となり、複数作で展開予定の第1作目です。

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FINAL FANTASY VII REMAKE(ファイナルファンタジーVII リメイク)

  • メーカー: スクウェア・エニックス
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: RPG
  • 発売日: 2020年4月10日
  • 希望小売価格: 8,980円+税

FINAL FANTASY VII REMAKE(ファイナルファンタジーVII リメイク)(ダウンロード版)

  • メーカー: スクウェア・エニックス
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: RPG
  • 配信日: 2020年4月10日
  • 価格: 8,980円+税

FINAL FANTASY VII REMAKE(ファイナルファンタジーVII リメイク)(パッケージ+フィギュアセット)

  • メーカー: スクウェア・エニックス
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: RPG
  • 発売日: 2020年4月10日
  • 希望小売価格: 33,980円+税

FINAL FANTASY VII REMAKE(ファイナルファンタジーVII リメイク)DIGITAL DELUXE EDITION(ダウンロード版)

  • メーカー: スクウェア・エニックス
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: RPG
  • 配信日: 2020年4月10日
  • 価格: 10,455円+税

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